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- パワーストーンを買った直後に、たまたま良い出会いがあった
- 神社でお願いしたあとに、志望校に受かった
- ヒーリングを受けた翌日に体調が良くなった
そんなとき、つい
「やっぱり、あの石(神社・ヒーリング)のおかげだ!」
と感じたことはないでしょうか。
もちろん、「そう思うことで元気が出る」という意味のスピリチュアル(精神的な支え)自体を否定する必要はありません。ただ、
「あとから起きたことは、ぜんぶ“前の出来事のせい”だ」
と決めつけ始めると、現実の因果(本当の原因)を見る目がにぶるリスクも出てきます。
この「順番が続いただけなのに、“原因と結果”と信じてしまう思い込み」を
論理学・心理学では 「前後即因果の誤謬(post hoc ergo propter hoc)」 と呼びます。effectiviology.com+2psychologycorner.com+2
この記事では、
- 「前後即因果の誤謬」とは何か
- 日常&スピリチュアルな“あるある”場面
- 実験で確かめられた「因果の錯覚」の仕組み
- なぜ人は“ご利益”や“縁”にしがみつきたくなるのか
- スピリチュアルを大事にしつつ、現実の因果も見失わないコツ
を整理していきます。
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「前後即因果の誤謬」とは?(定義)
前後即因果の誤謬とは、ラテン語の
post hoc ergo propter hoc(ポスト・ホック・エルゴ・プロプテル・ホック)
=「これのあとに起きたから、これが原因に違いない」
という表現から来た言葉です。effectiviology.com+2psychologycorner.com+2
形としてはとてもシンプルで、
A が起きたあとに B が起きた
→ だから B は A が原因だ
と時系列だけで原因と結果を決めつけてしまう思考のクセを指します。effectiviology.com+2philosophy.hku.hk+2
- 実際には、たまたま時間的に並んだだけ(偶然)かもしれない
- A と B の両方を生み出している「共通の別の原因」があるかもしれないphilosophy.hku.hk
それでも、「あとから起きたから、きっと前の出来事の効果だ」と信じてしまう。
これが前後即因果の誤謬です。
心理学では、こうした「本当は関係ないものを因果関係だと思い込む現象」を
まとめて 「因果の錯覚(causal illusion)」 と呼び、
迷信・ニセ科学・スピリチュアル商法などの土台にもなっていると指摘されています。ResearchGate+3PMC+3Frontiers+3
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日常&スピリチュアルでの「前後即因果」あるある(3本)
1. パワーストーン・御守りを買ったら、たまたま恋がうまくいった
- 恋愛運アップのパワーストーンを買った
- その翌週、たまたま紹介で素敵な人と出会った
このとき、
「やっぱり、この石の効果すごい!」
と感じるのはごく自然です。
でも現実には、
- たまたまタイミングが重なった
- 元々、紹介してくれる人間関係があった
- そもそも「石を身につけている安心感」で、自分の態度が柔らかくなっていた
など他の要因も山ほどあるはずです。
それでも、
「石を買う → 出会い → だから石が原因」
と 時間の順番だけで因果関係を固めてしまう のが、前後即因果の誤謬です。effectiviology.com+2psychologycorner.com+2
2. 「ヒーリングを受けたら、翌日体調が回復した=治してもらえた」
- 風邪っぽくて、ヒーリングや遠隔エネルギーセッションを受けた
- 翌日、もともと治りかけていたのもあって、体調がよくなった
ここで、
「やっぱり○○さんのエネルギーはすごい」
と感じるのも自然です。
ただし、
- そもそも時間経過とともに治るような軽い不調だった
- 休んだ・薬を飲んだなど、他の要因も同時にあった
可能性も高いわけです。
にもかかわらず、
「セッションの直後に良くなった → だからセッションが原因」
と、“後から”起きた回復を全部ヒーリングの効果にしてしまうのは、典型的な前後即因果パターンです。ResearchGate+3PMC+3Frontiers+3
3. 「引き寄せのノートを書いたら、たまたま臨時収入があった」
- 「お金が入る」とノートに書いて、イメージングやアファメーションをした
- たまたまその月に、残業代やボーナス、身内からのご祝儀が入った
ここで、
「イメージ通りに宇宙が動いてくれた!」
と感じると、ちょっとワクワクします。
一方で、
- 残業したから残業代が出ただけ
- もともとボーナスの時期だった
- たまたま重なった偶然
という現実的な因果も同時に存在しています。
それでも、
「ノートを書く → お金が入る → だからノートが現実を動かした」
という“順番だけの因果”に全部まとめてしまうと、
現実の仕組みを見ないクセが強くなっていきます。PMC+2ResearchGate+2
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実験で見る「因果の錯覚」と迷信
1. スキナーの「迷信を持つハト」実験
アメリカの心理学者スキナーは、
ハトに一定時間ごとにエサを自動で与える装置を使って、有名な実験をしました。psychologistworld.com+3psych.hanover.edu+3psychclassics.yorku.ca+3
- ハトが何をしていても、例えば30秒ごとにエサが出る設定
- 偶然「くるっと回った直後」にエサが出ると、
ハトは「回るとエサが出る」と思い込む - そのうち、エサをもらうために、やたら同じ動きを繰り返すようになる
スキナーは、これは
「本当は関係ないのに、“自分の行動がエサを出している”と思い込んだ“迷信行動”」
だと解釈しました。psychclassics.yorku.ca+2psych.hanover.edu+2
人間で言えば、
- ラッキーカラーの服
- 試験前のルーティン
- 「このお守りを持っていると大丈夫」
なども、同じ仕組みで強化されやすいと考えられます。psychologistworld.com+2sites.psu.edu+2
2. 「因果の錯覚」:本当は効いていなくても、“効いている気”になる
最近の研究では、
関係のない出来事どうしを「因果関係がある」と思い込むクセ
を「因果の錯覚(illusion of causality)」として、
実験室でたくさん調べています。ResearchGate+3PMC+3Frontiers+3
例えば…
- ある「おまじない行動」と、自然に起こる出来事を組み合わせる
- 実際には、おまじないをしてもしなくても結果はほとんど変わらない
- それでも、人は「おまじないをしたときにうまくいったケース」ばかり記憶して、
「きっと効いている」と信じてしまう
こうした「因果の錯覚」は、
- 健康グッズ・代替医療
- 金運アップグッズ
- スピリチュアル商材
などの信念とも深く関係していると指摘されています。ResearchGate+3PMC+3Frontiers+3
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なぜ「前後即因果の誤謬」が起きるのか(原因・仕組み)
1. 脳は「たまたま」を嫌い、ストーリーを欲しがる
私たちの脳は、
「よく分からないまま起きること」
が苦手です。
- 「たまたま回復した」
- 「たまたま出会えた」
と言われるより、
「○○をしたから、こうなったんだ」
という分かりやすい物語があるほうが安心します。Humanities LibreTexts+3PMC+3arXiv+3
その結果、
- たまたま連続した出来事
- たまたまタイミングが近かった出来事
をまとめて、
「ほら、やっぱり繋がってる!」
という因果ストーリーを作ってしまいやすくなります。effectiviology.com+2Psychology Spot+2
2. 「時間的な近さ=原因っぽさ」と感じやすい
心理学の研究では、
「Aの直後にBが起きると、たとえ関係がなくても“因果っぽく”感じやすい」
ことが分かっています。ホワイトローズリサーチオンライン+3SAGE Journals+3eScholarship+3
- 何時間も経ってから起きることより、
すぐあとに起きたことのほうが「Aの結果だ」と思いやすい - スピ系の儀式やおまじないは、
「やった直後の出来事」が強く印象に残るので、因果の錯覚が生まれやすい
というわけです。
3. 「自分が世界を動かしている」という感覚(コントロール幻想)
人は誰でも、
「自分の行動が、世界に何か影響を与えている」
と感じたい生き物です。
この「コントロールしている感覚」が強く働くと、
- 本当は偶然の結果なのに、
「自分のお祈り/イメージ/儀式のおかげ」と思いやすくなる - 研究では、こうした**“自分の行動が結果を生んでいる”という錯覚**を
「コントロールの幻想(illusion of control)」とも呼びます。imperfectcognitions.blogspot.com+2SpringerLink+2
スピリチュアルな世界観は、この「コントロール幻想」と相性が良く、
良い方向にも悪い方向にも働きやすいのがポイントです。
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前後即因果の誤謬がもたらすデメリット
1. スピリチュアルや「ご利益」に、生活の全部を預けてしまう
- 「このセッションを受けていれば、病気も人間関係もお金も全部よくなる」
- 「願えば叶うから、具体的な努力はいらない」
といった形で、現実的な対処を後回しにしてしまう危険があります。ResearchGate+3PMC+3Frontiers+3
特に健康やお金の場面では、
- 医療や専門家への相談を遅らせてしまう
- リスクの高い投資・商材に手を出す
など、取り返しのつかない結果を招くこともあります。
2. 「当たった例」だけ覚えて、外れた例を忘れる
前後即因果の誤謬には、
「当たりだけを集めて記憶する」クセ
もセットになりがちです。ウィキペディア+3Verywell Mind+3The Decision Lab+3
- 願掛けをしてうまくいったときだけよく覚えている
- 何も起きなかった回は、サラッと忘れている
- うまくいかなかったときは、「きっとやり方が足りなかった」と解釈してしまう
こうして、「この方法はすごく効く!」という錯覚だけがどんどん強くなるのです。
3. 人間関係でも「勝手な因果ストーリー」で苦しくなる
スピリチュアルに限らず、
- 「連絡のタイミング」と「相手の気持ち」を結びつける
- たまたま既読が遅い → 「嫌われたに違いない」
- 「ちょっとした出来事」と「運命」を結びつける
- たまたま会えた → 「これは魂の導きだから絶対に離れちゃいけない」
といった形で、偶然を全部“意味のある因果”として解釈すると、
自分で自分の心を追い詰めてしまうことがあります。PMC+2arXiv+2
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「前後即因果」とうまく付き合うためのヒント
1. 「AのあとにBが起きた」→「だから?」と一度だけ立ち止まる
心の中で、こんな一言をはさみます。
「AのあとにBが起きた。
……それって、本当にAが原因?」
- 他に理由はなかったか?
- Aをしなかったときにも、Bは起きていないか?
- 単にタイミングが重なっただけ、という可能性は?
と、一歩引いて考えるだけで、思い込みの勢いが少し落ちます。effectiviology.com+2philosophy.hku.hk+2
2. 「現実的な説明」と「スピ的な意味づけ」を分けて持つ
スピリチュアルを大事にしつつ、現実もちゃんと見るためには、
- レベル①:現実的な因果関係(医学・お金・行動の結果など)
- レベル②:自分なりの意味づけ・物語(ご縁・タイミング・宇宙の流れ)
を頭の中で分けておくのがおすすめです。
- 病気が回復した
- レベル①:薬・休養・時間経過の効果
- レベル②:「神社のお参りで背中を押された気がする」
このように、
「治った“メインの理由”は現実的な要因。
スピ的な意味づけは“心の支え・象徴”として取っておく」
というバランスなら、危険ゾーンに入りにくくなります。
3. 「自分の行動が変わった結果」もちゃんと数える
スピ系のことをしたとき、
- 自信がついて行動量が増えた
- 人との会話が明るくなった
- 新しい場所に出かけるきっかけになった
など、自分の行動変化が起きていることも多いです。
その場合は、
「○○をしたおかげで、自分の行動が変わった」
「行動が変わったから、結果も変わった」
という “二段構えの因果”として見るほうが、現実に近くなります。
4. 「依存」ではなく「サポート」として使う
スピリチュアル系のものを、
- 「これをやらないと何もできない」
- 「この人(このグッズ)がないと人生が崩れる」
という依存モードで使い始めたら、前後即因果の誤謬が強くなりすぎているサインかもしれません。
おすすめなのは、
「なくても生きていけるけど、あるとちょっと心が軽くなる」
くらいの**“補助輪ポジション”**に落としておくことです。
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まとめ:「すべて“ご利益”にしなくても大丈夫」
- 前後即因果の誤謬とは、
「AのあとにBが起きた」だけで、「だからAが原因だ」と決めつけてしまう思考のクセ。PsychologyWriting+3effectiviology.com+3psychologycorner.com+3 - 心理学では、こうした 「本当は関係ないのに因果関係があると思い込む」 現象を
「因果の錯覚」と呼び、迷信・ニセ科学・スピ商法などの土台になると指摘している。ResearchGate+3PMC+3Frontiers+3 - スキナーのハト実験では、
ハトが「たまたまエサが出たタイミング」と自分の行動を結びつけ、
迷信的な行動を繰り返す様子が観察された。psychologistworld.com+3psychclassics.yorku.ca+3psych.hanover.edu+3 - 私たちの脳は、
- 「たまたま」を嫌ってストーリーを作りたがる
- 時間的に近い出来事を「因果っぽく」感じやすい
- 「自分が世界を動かしている」という感覚を求める
ために、前後即因果の誤謬にハマりやすい。arXiv+3SAGE Journals+3eScholarship+3
スピリチュアルな考え方や、願掛け・お守り・儀式そのものは、
うまく使えば「心の支え」「行動のきっかけ」になる大事な道具です。
大切なのは、
- 「全部このご利益のせい/おかげ」と決めつけすぎない
- 現実的な原因・努力・条件もちゃんと見ておく
- 依存ではなく、「自分の背中をちょっと押してくれるサポーター」として扱う
というバランス感覚です。
「ご縁」や「流れ」を大事にしつつ、
“地に足のついた因果”も忘れない。
このくらいの距離で前後即因果の誤謬を眺めておくと、
スピリチュアルも日常も、もう少しラクに付き合えるようになります。
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Q&A:前後即因果の誤謬についてのよくある質問
Q1. スピリチュアルを信じていること自体が「前後即因果の誤謬」ですか?
A. いいえ、「信じることそのもの」がすべて誤謬だとは限りません。
問題になるのは、
- 時系列だけで「絶対にこのおかげ」「絶対にこのせい」と決めつける
- 現実的な対処(医療・お金の管理・人間関係の整理など)をやめてしまう
といった**「認知のバランスが崩れた状態」**です。ResearchGate+3PMC+3Frontiers+3
「信じる」ことと、「現実の因果を調べること」は両立できます。
Q2. 「前にこうしたらうまくいったから、今回もやる」は全部ダメ?
A. 過去の経験から学ぶのは、人間の大事な能力です。
- 同じ条件で、何度も同じ結果が出ている
- 他の人でも、同じやり方で似た結果が出ている
- 仕組みとしても、どうしてそうなるか説明がつく
のであれば、**それなりに理由のある「経験則」**になります。
前後即因果の誤謬になるのは、
- 一度うまくいっただけで「必ずこれが原因」と決めつける
- うまくいかなかった例をカウントしていない
といったケースです。Humanities LibreTexts+3effectiviology.com+3Psychology Spot+3
Q3. 「願ったら叶った」体験は、全部気のせいなんでしょうか?
A. 「全部気のせい」と切り捨てる必要はない、というのが現実的な立ち位置かなと思います。
- 願ったことで、行動や選択が変わり、その結果として叶った
- 願うことで心が安定し、実力を出しやすくなった
など、心理的なプロセスを通じて結果に影響している部分も十分ありえます。
ただし、
「願えば何でも叶う」「現実的な行動は不要」
というところまで行くと、
前後即因果の誤謬に足を取られやすいので注意が必要です。PMC+2ResearchGate+2
Q4. 前後即因果の誤謬を減らす簡単なトレーニングはありますか?
A. 日常の小さな場面で、次のようなクセをつけると効果的です。
- 「AのあとにBが起きた」→「他の可能性は?」と一言考える
- 「もしAをしなかった世界」をちょっと想像してみる
- 「Aと同じようなことをしたけど、うまくいかなかった例」を思い出す
この3つを習慣にすると、
「たまたま」を全部因果にしてしまうクセ
よりも、「他の説明もあるかも」と考えるクセが少しずつ育っていきます。Humanities LibreTexts+3effectiviology.com+3philosophy.hku.hk+3
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