コンコルド効果とは?「ここまで来たのに、今さらやめられない」心理

  • 正直もう好きか分からないのに、「3年も付き合ったし…」で別れられない
  • 全然楽しくないデート相手に、「ここまでご飯奢ってきたし」とズルズル会い続ける
  • つらいのに、「ここで終わらせたら今までの努力が無駄になる」と関係にしがみつく

頭ではどこかで分かっているのに、

「ここまで来たのに、今やめたらもったいない

という気持ちが前に出て、ブレーキを踏めないことがあります。

この「損する未来が見えているのに、過去の投資が惜しくてやめられない」心理を
心理学・行動経済学では 「コンコルド効果(埋没費用効果/サンクコスト効果)」 と呼びます。ウィキペディア+1

この記事では、「日常&恋愛寄り」で、

  • コンコルド効果とは何か(サンクコストとの関係)
  • 恋愛・人間関係でのあるあるパターン
  • 有名な研究・実験
  • どんな仕組みで抜けにくくなるのか
  • どこで線を引けばいいのか(付き合い方のコツ)

を整理していきます。

目次

コンコルド効果とは?(定義)

コンコルド効果は、別名「埋没費用効果(sunk cost effect)/サンクコスト効果」とも呼ばれる心理現象で、

すでに投じてしまったお金・時間・労力・感情がもったいなくて、
これ以上続けると損だと分かっていても、やめる決断ができない状態

を指します。ウィキペディア+1

名前の由来

  • イギリスとフランスが巨額の費用を投じて開発した超音速旅客機コンコルド
  • ビジネス的には採算が取れないと分かっていながら、
    「ここまで投資したから」と運航を続けた結果、損失が膨らんだ

という歴史的なケースから、
このような「引き際を誤る心理」が 「コンコルドの誤謬(Concorde fallacy)」 と呼ばれるようになりました。ウィキペディア+2無料から試せるカスタマーサポートツール|Tayori(タヨリ)+2

本来の経済学的には、
「過去に使ったお金や時間はもう戻らない(埋没している)ので、今後の判断には入れるべきでない」
とされますが、心の中ではどうしても 「もったいない」 が勝ちやすい、というのがポイントです。University of Warwick+2docs.iza.org+2

日常&恋愛でのコンコルド効果あるある

1. 「長く付き合ったから、別れたら損」と思ってしまう

  • 価値観が合わない
  • 一緒にいてつらい時間のほうが多い

…と感じていても、

  • 「でも3年も一緒にいたし」
  • 「親にも友だちにも紹介済みだし、今さら…」

と考えて、関係を続ける理由が「過去の長さ」になってしまうことがあります。

冷静に見れば、

  • これから先も我慢が続くなら、そのぶんの時間・感情コストが増えるだけ

なのに、「ここで別れたら3年間が無駄になる」という気持ちがブレーキをかけてしまうわけです。THEORIES+1

2. もう脈が薄い相手へのアプローチをやめられない

  • 何度誘っても反応が薄い
  • LINEもたまにしか返ってこない
  • 会っても進展する気配がない

それでも、

  • 「ここまで奢ってきたし」
  • 「誕生日プレゼントも渡したし」
  • 「こんなに時間かけた相手を諦めるのは悔しい」

と感じて、引き際を見失うパターンです。

これはまさに、

「貢いできたコストを回収したくて、
さらにコストを追加してしまう」

典型的なコンコルド効果です。THEORIES+1

3. 「一度決めたから」で続ける結婚・同棲・同じ恋愛パターン

  • 結婚・同棲したから、「今さらやめたら全部リセットだ…」
  • 何度も同じタイプに振り回されているのに、「ここまでやってきたし」と我慢する

こうしたケースでは、

  • 引っ越し・式・家族への挨拶など、すでに投じた膨大なコスト
  • 「もう戻れない」「簡単には変えられない」という感覚を強くします。

もちろん現実的な事情(子ども・お金・仕事など)が絡むので、
単純に「別れればいい」とは言えませんが、
「過去の投資」と「これからの幸せ」がごちゃ混ぜになりやすい場面でもあります。University of Warwick+1

実験で見るコンコルド効果(埋没費用効果)

Arkes & Blumer(1985)のシーズンチケット実験

行動経済学では、
ハル・アーカスとキャサリン・ブルーマーの有名な研究がよく紹介されます。ResearchGate+2faculty.wcas.northwestern.edu+2

実験のざっくり構成

  • 大学の劇場のシーズンチケット(全公演セット)を販売
  • 通常価格は15ドル
  • しかし参加者にはランダムに
    • 15ドル(定価)
    • 13ドル(少し割引)
    • 8ドル(大幅割引)
      という3パターンの価格で販売した
  • その後数ヶ月間、何回公演を見に来たかを記録

結果

  • 高いお金を払った人ほど、たくさん公演に足を運んだ
  • 逆に、安く買った人ほど、途中で来なくなりやすかった

本来、理屈だけで言えば、

  • チケット代はすでに支払ってしまっているので「埋没費用」
  • 「これから行く公演が楽しいかどうか」だけで行くか決めればよい

はずですが、実際の人間はそう動きませんでした。ResearchGate+2sproutsschools.com+2

「高いお金を払ったんだから、元を取らなきゃ」

という気持ちが働いて、
行きたいかどうかより「もったいない」が判断を左右した、というわけです。

このように、
過去に払ったコストが、現在の選択を不合理にゆがめる現象
「コンコルド効果/埋没費用効果」として、多くの研究が扱っています。University of Warwick+2docs.iza.org+2

なぜコンコルド効果が起こるのか(原因・仕組み)

1. 「もったいない」の感覚が強すぎる

日本語の「もったいない」は良い意味もたくさんありますが、
埋没費用の場面ではブレーキとして強く働きすぎることがあります。

  • 高いお金
  • 長い時間
  • 深い感情

をかければかけるほど、

「ここでやめたら今までが無駄になる」

という思いが強くなり、
「これ以上続けたらどれくらい損するか」が見えにくくなります。THEORIES+2Unprinted+2

2. 「自分の選択は間違ってなかった」と信じたい(自己正当化)

コンコルド効果の背景には、
「今までの自分の選択を、できるだけ正しいことにしたい」
という心理もあります。University of Warwick+1

  • すでに大きな決断をした
  • 感情もお金もガッツリ投じた

あとで「やっぱりやめます」と言うのは、

  • 自分の過去の判断を否定する
  • 周りに「失敗を認める」

ように感じられるため、
選択そのものを引き返しにくくなるのです。

3. 一貫性の原理:「ここまで来たのに、途中で投げ出したくない」

人は、

「一度やると言った手前、途中でやめづらい」

という 「一貫性の原理」 を持っています。get.wevox.io+1

恋愛や結婚では特に、

  • 「一生そばにいる」と言った
  • 友だちや家族に「この人」と紹介した
  • 自分でも「この人を選んだ」と決めてきた

といったコミットメントが強いほど、
現状が苦しくなっても「ここで別れたら一貫性がない」と感じてしまうことがあります。

4. 「未来の自分」の声より、「過去の自分」の声が大きい

本来、合理的には

  • これからの5年・10年をどう過ごしたいか
  • 今やめた場合と続けた場合の「将来の自分」の気持ち

を軸に判断するべきですが、
コンコルド効果が強いと、

「あの頃の自分の頑張りを無駄にしたくない」

という**“過去の自分の声”ばかりが大きくなり、
“未来の自分”が聞こえにくくなる**状態になります。University of Warwick+2compass.onlinelibrary.wiley.com+2

コンコルド効果のデメリット(特に恋愛・日常)

1. 「これからの幸せ」を削ってまで、過去を守ってしまう

  • もう合っていない関係
  • もう楽しくない趣味や活動

にしがみつくことで、

  • 新しい出会いや経験のチャンスを逃す
  • 心身の消耗が続く

など、「これから得られたはずの幸せ」が削られていきます。THEORIES+1

2. つらい恋愛・関係性から抜け出しにくくなる

  • モラハラ・依存的な関係
  • 一方的に消耗する恋愛

であっても、

  • 「あのとき別れなかったのだから、ここで折れたくない」
  • 「ここまで耐えた自分が報われてほしい」

と感じてしまい、
状況が悪化しても離れにくいという悪循環が起きます。

3. 「続ける勇気」だけが称賛され、「やめる勇気」が軽視される

世の中には、

  • 「諦めなければ夢は叶う」
  • 「続けることに価値がある」

というメッセージが多く、
**「撤退する勇気」「方向転換する決断」**が見えにくくなりがちです。

その結果、

本当は“やめたほうが自分らしい”場面でさえ、
「続けなきゃダメだ」と自分を追い込んでしまう

こともあります。University of Warwick+1

コンコルド効果との付き合い方(実践ヒント)

1. 「過去はいったんゼロにして、これからだけで採点する」

恋愛でも仕事でも、迷ったときは、あえてこう考えます。

もし今日、ゼロの状態からこの人(この選択)を前にしたら、
自分は“また同じように選ぶか?

  • 「うん、やっぱり一緒にいたい」と思うなら → 続ける価値はある
  • 「いや、今日初めて出会ったら選ばないかも」と思うなら → コンコルド効果の可能性大

このとき、**過去の投資は一旦“見えないことにする”**のがポイントです。University of Warwick+1

2. 「ここまでやったのに」を封印して、「これ以上失うもの」を見る

頭の中で出てきたら要注意なフレーズ:

  • 「ここまでやったのに」
  • 「今さらやめられない」
  • 「投資した分を取り返したい」

代わりに、意識してこう言い換えます。

  • このまま続けたら、あと何を失うだろう?
  • 今やめることで守れるものは何だろう?

視点を

  • 「過去の損失」 → 「これ以上増やしたくない未来の損失」

に切り替えるイメージです。Unprinted+2無料から試せるカスタマーサポートツール|Tayori(タヨリ)+2

3. 恋愛では「期限付きで様子を見る」を使う

恋愛や結婚は、仕事やサービス以上に感情が絡むので、
白黒スパッと決めるのは難しいです。

そのときは、

  • 「あと3ヶ月/半年は、自分からできることをやってみる」
  • 「その期間が終わったら、そこで一度フラットに見直す」

という **「期限付きの延長」**にしておくと、

  • ずるずる続ける
  • 「やめどき」が永遠に来ない

状態を避けやすくなります。

4. 信頼できる他人の視点を借りる

コンコルド効果にハマっているときは、
自分の中のストーリーが強すぎて冷静な判断が難しくなります。

  • 「もし友だちが同じ状況なら、あなたは何と言う?」
  • 「第三者目線で、この恋愛や関係をどう見る?」

と、親しい友だちや家族に聞いてみるのも手です。

自分だったら絶対「やめな」と言うような状況で、
「でも私は続けたい」と感じているなら、
コンコルド効果がかなり効いているサインかもしれません。

まとめ:「過去を守るか、これからを守るか」を選べるようにする

  • コンコルド効果は、
    これ以上続けると損だと分かっていても、
    すでに投じたお金・時間・感情がもったいなくてやめられない心理現象。ウィキペディア+2THEORIES+2
  • 名前の由来は、巨額の投資をして商業的に失敗した超音速旅客機「コンコルド」のケース。
  • 行動経済学の研究(Arkes & Blumer 1985など)では、
    チケット代を多く払った人ほど公演にたくさん行くなど、
    過去のコストが現在の選択を不合理にゆがめることが示されている。ResearchGate+2sproutsschools.com+2
  • 背景には、
    • 「もったいない」感情
    • 自分の選択を正しかったことにしたい自己正当化
    • 一貫性の原理
    • 「過去の自分」の声が強すぎること
      などがある。University of Warwick+2docs.iza.org+2
  • 恋愛・日常では、
    • 本当は合わない関係を続けてしまう
    • 脈の薄い相手へのアプローチをやめられない
    • 結婚・同棲・長期関係の「別れどき」が見えなくなる

といった形で現れやすい。

現実的には、

  • 「今日ゼロから選び直すとしても、この人(この選択)を選ぶか?」
  • 「ここまでの投資」ではなく「これから守りたい時間と心」を基準にする

という問いかけを自分に返せると、
「過去を守るか、これからを守るか」を意識的に選びやすくなります。

Q&A:コンコルド効果についてのよくある質問

Q1. コンコルド効果とサンクコスト効果は何が違うんですか?

ほぼ同じ意味で使われます。

  • コンコルド効果/コンコルドの誤謬:
    超音速旅客機コンコルドの事例に由来する名前
  • サンクコスト効果・埋没費用効果:
    過去に投じて回収できないコスト(サンクコスト)が、
    現在の判断に不合理な影響を与えることウィキペディア+2THEORIES+2

細かく言えばニュアンスの違いもありますが、
日常レベルでは「同じ現象を指す言葉」と思ってOKです。


Q2. 恋愛で「努力を続けるべき」ときと、「コンコルド効果で粘りすぎ」の見分け方は?

ざっくり目安としては、

  • 続ける理由が「これから何を一緒にしたいか」なら、続ける余地あり
  • 続ける理由が「ここまでやってきたから」だけなら、コンコルド効果の可能性大

です。

  • 一緒にいると安心する/成長できる
  • まだ話し合えば改善できそうな具体的ポイントがある

なら、「もう少し試す」選択もアリです。

逆に、

  • つらさのほうが明らかに大きい
  • 未来のイメージがほとんど浮かばない
  • それでも「ここまで付き合ったから」とだけ思っている

場合は、一度立ち止まって見直す価値があります。


Q3. 結婚や長い同棲みたいに、簡単にやめられないケースはどう考えればいいですか?

現実的な制約(お金・子ども・仕事・住まいなど)がある分、
「はい、やめましょう」とは当然言えません。

そのうえで大事なのは、

  • 「過去にいくら使ったか」と「これからどう生きたいか」を切り分ける
  • 「今すぐ別れる/今までどおり我慢する」の二択ではなく、
    • 別居・距離を置く
    • カウンセリング・第三者を入れた話し合い
    • 生活面だけでも改善できるポイントを探す

などの中間的な選択肢も視野に入れることです。University of Warwick+1


Q4. コンコルド効果を“いい方向”に使うことはできますか?

過去に投資したから続ける」というロジック自体は、

  • 語学学習
  • 筋トレや習慣作り
  • 長期的なプロジェクト

など、続けることに意味がある場面ではプラスにも働きます。

ただし、

「続けることで、これから得られるものが明らかにあるか?」

を定期的に確認することが大事です。

  • 「努力の方向性を微調整する」のは前向きな一貫性
  • 「明らかに合っていないのに、意地で続ける」はコンコルド効果

と考えると整理しやすいです。

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